恐怖する淫体術

                      神 隆光

          第2章 電子パルサー

 三日後、人目を忍ぶように地味な服に身を包んだ千代子は、ドクター山崎と向かい合っていた。
「お疲れのようですが、大丈夫ですか」
 山崎の口調は穏やかだが、人妻を見つめる目はいやらしく光っている。
「大丈夫です」
 すべてを見透かすような鋭い視線に、激しい羞恥心が湧いてくる千代子は、言葉すくなく俯いた。
たしかに化粧の乗りも悪く、目の下に薄い隈ができているが、具合が悪いわけではない。この三日間、
ドクター山崎に受けたマッサージの快感が忘れられず、オナニーにふけっていたのだ。
「腰の痛みはどうですか」
 山崎は端麗な頬を赤らめる熟女を、からかうようにじっと見つめた。
「まだ少し痛みがあるんです」
 腰の調子はいいのだが、日に日に激しくなっていく欲情が我慢できなくなり、千代子は電話をかけ
てしまったのだ。
「そうですか。今日は、電気治療をしますので裸になってください」
 事務的な口調の山崎だが、嗜虐心を掻き立てられる人妻の熟れた肉体に、淫らな責めを考えて昂ぶ
っていた。
「は、裸にですか」
 千代子は声をつまらせた。恥ずかしい妄想を抱いてはいるが、いきなり裸になれと言われると羞恥
心でしりごみしてしまう。
「素っ裸になるのが嫌なら、帰ってもかまいませんよ」
 山崎は治療室の真ん中で、大型の電子パルサーを準備している。
 返す言葉のない千代子はドクターの指示にしたがい、上衣を脱衣カゴにいれた。ブラウスとスカー
トを脱ぐと、黒のセクシーな下着だけになる。
「早く脱いでしまいなさい」
 電子パルサーの粘着パットを手にした山崎は、レースの飾りがついた下着に興味をしめさなかった。
 ドクターのいやらしい視線に身体が熱くなる千代子は、ブラジャーを外すとパンティーもおろし、
豊満な乳房と官能的な股間をかくした。羞恥に苦悩する熟女の瞳は、欲情に潤んでいる。
「うつ伏せに寝て」
 山崎は桜色に染まる裸体を、舐めるるように見つめた。なめらかな背中に、括れた腰。盛り上がっ
た大きなお尻に、ムッチリした太腿。人妻の熟れた色香が濃厚にただよっている。
 ベッドにあがった千代子は、すぐに愛撫の手が伸びてくるものと、火照った身体を固くしている。
「少し冷たいですよ」
 山崎は人妻の期待と不安を無視するように、治療器具をセットしていった。
 隠すものがなにもない腰と豊満な双臀に、十枚の粘着パットを、特殊な貼りかたをすると、それぞ
れにクリップ付きのコードをつないだ。
 電子パルサーは、一度に十カ所以上の筋肉に、周波数の違う低周波を流すことのできる治療器だ。
「筋肉がピクピクします。痛かったら言ってください」
 山崎は腰のパットから順番に、低周波の出力を上げていく。断続的な電気刺激をうける筋肉は、伸
縮運動をはじめる。
「大丈夫ですか」
 人妻の秘めた被虐癖を見抜いている山崎は、ブルン、ブルンと揺れる豊満な双臀を見つめながら、
電子パルサーの出力をさらに上げていく。
「はい。大丈夫です」
 うつ伏せの千代子は、どこに向けられているか分からない、ドクターの視線を気にしながら、小さ
な声で答えた。
 自分の意思でコントロールできない筋肉の動きに、しだいに神経系統を乱されていく千代子は、思
考力が薄らぎ全身が、とくに女性器の奥が熱く燃えてくるのをどうすることもできなかった。
 熟女の呼吸が乱れてくると、山崎はパットに流れる周波数を変え始めた。
「あっ……」
 大殿筋、小殿筋、仙棘筋、それぞれが違う動きをすると、末梢神経が麻痺して、中枢神経がパニッ
クをおこす。
(だめ、だめ)
 千代子は下腹の異常におののいた。突然、激しい便意が襲ってきたのだ。
 粟たつ柔肌を小刻みに震わせ、苦悩に耐える熟女の姿に昂奮する山崎は、大殿筋を突っ張らせ、小
殿筋を弛緩させる刺激を与え続けた。
「くうっ……だめ……」
 ベッドに敷かれたタオルを握り締める千代子は、低い呻き声を洩らした。下腹神経叢に電子パルサ
ーの刺激をうけ、直腸が激しく蠕動運動し、肛門括約筋が弛んできているのだ。
「どうしました。大丈夫ですか」
「と、止めてください」
「もう少しで終わりますから、我慢してください」
 脂汗の滲んだムッチリとした太腿が、瘧にかかったように震えだしている。
「……だ、だめ。で、でちゃう……」
 千代子は必死で肛門を引き締めようとするのだが、低周波の刺激でバランスを崩された筋肉がそれ
を許さなかった。
「なにが出るんですか」
「……だめ……と、止めてください。で、でちゃいます」
 全身を硬直させる千代子は、声を震わせた。少しでも気を抜けば、大便が出てしまいそうになって
いる。
「だから、なにが出るんです」
 双臀の割れ目を覗き込む山崎は、すぐにでも一物を突っ込みたい衝動にかられた。噴火口のように
盛り上がったアナルが、濃赤色に輝いてヒクついているのだ。
「……だ、い、べ、ん……」
 ハァー、ハァーと荒い息をする千代子は、涙声になっている。
「ウンコが出るんですか。あと五分で終わりですから、我慢してください」
 山崎は笑った。
 千代子は微かに首を振った。限界はきている。もう立つこともできない。
「しかたのない奥さんだ。治療中にウンコが我慢できなくなる患者さんなんて、初めてですよ」
 山崎は洗面器を持ってくると、これにしなさいと床に置いた。
 玉の汗を流す千代子は、呻き声を洩らすだけで動かなかった。いや、動けなかった。
「一人でできないのなら手伝って上げましょう」
 山崎はベッドから熟女を抱き下ろした。
「トイレに……」
 床に膝をついて洗面器を跨ぐ千代子は、涙を流して哀願した。
 蠢く直腸に押し出される便が、弛んだ肛門括約筋を押し拡げようとしている。
「早く出してしまいなさい」
 便意に苦しむ熟女を揶揄する山崎は、駄目押しの低周波を仙棘筋に流した。
「イヤー!」
 両手をベッドについてガタガタ震える千代子は、大きな目を見開いてドクターを睨んだ。鋭い針を
刺さるような衝撃が仙骨を通り抜け、子宮を、膣を。そして尿道を刺激する。
 淫裂がパックリと口を開くと、シューと小水が弧を描く。ジャーと洗面器を叩く音に張りつめてい
た糸が切れ、千代子は下半身の力を抜いた。
 電子パルサーの刺激で激しく蠢く直腸が押し出す塊が、肛門を拡げていく。
「奥さん、便秘をしていたんですか。太いのがどんどん出てきますよ」
 すすり泣きながら排便を続ける人妻のあられもない姿に、山崎は下半身を痛いほど充血させた。
「あっ……くうっ……」
 屈辱と羞恥の排便に放心する千代子は、不思議な浮遊感に包まれていった。セックスのアクメとは
違う妖異な快感だ。涙が溢れる目はかすみ、胸が張り裂けそうなほど高鳴っている。
「オシッコもウンコも出して、スッキリしたでしょ」
 山崎は背後から抱きしめるように、豊満な乳房に両手をまわし、固くしこった乳首を転がした。汗
で濡れた裸体は痙攣するように震えている。
「ああっ……せんせい……」
 千代子はドクターの腕にすがった。崩壊していく現実にしがみつくように。
「イッてもいいですよ」
 山崎は苛めがいのある女体を抱きしめて囁いた。
「ああっ……だめ。千代子、イク……」
 淫裂に愛撫の手が伸びてくると、千代子は歓喜の叫びを上げた。脊髄に衝撃が走り、意識が遠のい
ていく。


つづく